虫垂炎

虫垂炎ってどんな病気?

虫垂炎は、盲腸の先端についている細長い小さな突起物である虫垂が炎症を起こしたものです。
よく盲腸とか盲腸炎と呼ばれることがありますが、正式には虫垂炎が正しい呼び方です。
この虫垂炎は、こどもの急性腹症のなかで最も頻度が高い病気で、3歳以下での発生は稀であり、4歳以降から発生頻度が高くなります。

虫垂炎の症状

虫垂炎の主な症状は、腹痛・嘔吐・発熱です。

多くの場合、はじめに上腹部痛が起こります。
虫垂炎の腹痛は、持続的な痛みで、波がある痛みかたではありません。
腹部の痛みにより、歩行が前傾姿勢となることもあります。
典型的な例では上腹部痛が時間とともに虫垂がある右下腹部痛へと変化していきます。
この経過中に嘔吐がみられることがあります。

時間とともに37〜38℃程度の発熱がみられ、虫垂に穴があいたり(穿孔)膿んだりすると38℃以上の発熱となります。

小児の場合、大人と比べて虫垂の壁が薄いため虫垂炎によって虫垂に穴があいて腹膜炎を起こしやすく、早期の診断が重要となりますが、小さなお子さんの場合、痛みの訴えがうまく伝えられず診断に時間がかかるために病状を進行させてしまうこともあります。

他覚的な症状としまして、腹部触診による圧痛が虫垂炎時における重要な所見としてあげられます。
虫垂炎の場合、McBurney(マックバーニー) の圧痛点と呼ばれる、臍(へそ)と右上前腸骨棘を結ぶ線の右 1/3 付近に虫垂があるため、ここを抑えると痛みの最強点があります。

また、虫垂の炎症が進行するにつれて、以下のような腹膜刺激症状が現われるようになります。

筋性防御
圧痛部を押すと腹筋に力がはいる
Blumberg徴候(ブルンベルグちょうこう)
圧痛部を静かに押して、急に離すと痛みが増強する
Rosenstein徴候(ローゼンシュタインちょうこう)
左側臥位で圧痛部を押さえると仰臥位のときよりも痛みが増強する
Rovsing徴候(ロブシングちょうこう)
左下腹部を押さえると右下腹部痛がおこる

虫垂炎の検査

血液検査
虫垂炎の場合、主に白血球数やCRPといった炎症の有無を調べる検査を行ないます。
腹部超音波検査
虫垂が腫れていないかなどを調べる検査で、虫垂炎の補助診断検査ではとても有用な検査です。
腹部レントゲン検査
おなかをレントゲン撮影して異常がないかを調べます。
腹部CT検査
超音波検査で虫垂炎かどうか分かりづらい場合に行なわれることが多い検査です。

虫垂炎の治療法

虫垂炎は、カタル性虫垂炎・蜂窩織炎性虫垂炎・壊疽性虫垂炎の3つの病型に分けられます。
カタル性虫垂炎は、炎症が軽い状態であるため、抗生剤の点滴による保存的治療が行なわれます。
蜂窩織炎性虫垂炎は、炎症が中等度であり、病状によって保存的な治療とするか手術して虫垂を摘出するかを判断します。
壊疽性虫垂炎は、炎症が重度のため、手術によって虫垂を摘出する治療が行なわれます。

手術の場合、小学生以下のお子さんは基本的に全身麻酔にて行なわれます。