ジフテリア

ジフテリアについて

ジフテリアは、呼吸器系にジフテリア菌が感染することにより起こる病気で、菌が感染した部位により症状は異なりますが、発熱やのどの痛み、犬が吠えるような咳などが症状として現われます。

感染経路は飛沫感染で、乳幼児に多く見られます。
ジフテリアに感染しても、発症するのは1割程度で、残りの9割は感染しても症状が現われない不顕性感染です。

ジフテリアは、先進国では予防接種の普及によりめったに見られなくなりましたが、予防接種を適切に行なわないと大流行するおそれがありますので予防接種はしっかりと打ちましょう。

ジフテリアの症状・合併症と診断

症状

ジフテリアは、菌の感染部位によって症状が異なりますが1〜7日の潜伏期間を経て、以下のような症状が現われます。

鼻ジフテリア
初期は風邪と区別がつきません。
鼻水にしだいに血液が混ざってきて、鼻孔や上唇にびらんがみられ、鼻孔内に偽膜(ぎまく)をつくります。
通常、鼻ジフテリアは乳児に多く見られ、発熱はなく比較的軽く済むため、鼻ジフテリアとは気づかない場合があります。
咽頭ジフテリア
食欲不振や倦怠感、咽頭痛・微熱などの症状があらわれ、咽頭や扁桃に白〜灰白色の偽膜が形成されます。ジフテリアの偽膜は厚く、剥がれにくいのが特徴で、剥がそうとすると出血しやすいです。
また、頸部リンパ節炎を起こし、牛頚(bull neck)と呼ばれるほど首が大きく腫れることがあります。
喉頭ジフテリア
咽頭ジフテリアから発展する場合が多く、発熱や犬吠様の咳、嗄声(させい)があらわれます。
気道に偽膜を形成し、呼吸困難を起こすことがあります。

合併症

合併症とは、ある病気が原因となって起こる別の病気をいいます。
ジフテリアの場合、心筋炎や末梢神経炎を起こすことがあります。
このうち心筋炎は、予後不良で突然死することがあり注意が必要です。
末梢神経炎による神経麻痺は頻度としては高いですが、予後は比較的良好です。

診断

感染部位につくられた偽膜(ぎまく)が認められれば、ジフテリアが疑われます。
しかし、ジフテリア以外の感染でも類似した偽膜を作ることがあるため、確定診断するには感染部位から採取した検体を培養してジフテリア菌がいるかどうかを検査する必要があります。

ジフテリアの治療法

ジフテリア菌から出される毒素を中和するための抗血清の投与と、ジフテリア菌を除菌するための抗生物質の使用が主な治療法となります。

予防方法

ジフテリアは予防接種によって予防することができます。
ジフテリアは三種混合ワクチンとして、定期予防接種の対象となっています。

詳しくは三種混合ワクチンのページをご参照ください。

登校・登園について

ジフテリアは、学校保健安全法で予防すべき伝染病1種に属しています。
そのため、登校基準が設けられており、ジフテリアが治癒するまで出席停止となっています。

飛沫感染(ひまつかんせん)
せきやくしゃみなどによって飛び散る飛沫に含まれる病原体が、口や鼻などの粘膜に直接触れて感染すること。

潜伏期間(せんぷくきかん)
ウイルスや細菌などの病原体が体内に侵入してから症状(発病)がでるまでの期間

偽膜(ぎまく)
粘膜に炎症を起こしてその表面に滲出した線維素(血液を固めるためのもの)や粘膜細胞、白血球などが絡まりあってできる膜状のもの。

嗄声(させい)
声がれのこと。