ヘルパンギーナ

ヘルパンギーナについて

ヘルパンギーナは夏かぜの一種で、高熱と咽頭の水疱を主症状とする病気です。
流行時期は、5月から8月にかけて流行し、もっともかかりやすい年齢は1〜5歳くらいとなっています。

原因ウイルスは、コクサッキーウイルスが主体で、エコーウイルスなども原因となります。
原因ウイルスが数種類あるので、一度ヘルパンギーナになってもまた起こる可能性があります。
感染経路は、接触感染、飛沫感染、糞口感染です。

急性期はウイルスが最も排泄されて感染力が強いですが、回復期も2〜4週間にわたり便からウイルスが排泄されるので感染源となるため注意が必要です。

ヘルパンギーナの症状・合併症と診断

症状

ヘルパンギーナは2〜7日程度の潜伏期間を経て、突然の高熱(38℃以上)と咽頭の水疱(直径1〜5mmほど)や発赤の症状があらわれます。
水疱は破れると潰瘍となり、痛みを伴います。
発熱は2〜4日程度で下がり、それにつれて水疱もよくなり7日程度で自然に治癒します。

合併症

熱による熱性けいれんと、まれに無菌性髄膜炎や心筋炎などを合併することがあります。

診断

基本的にヘルパンギーナの主症状である突然の高熱、咽頭の水疱や発赤などの症状から診断されることがほとんどです。

必要に応じて血液を採取して抗体検査を行ったり、咽頭ぬぐい液や便からのウイルスの分離検査を行なう場合があります。

ヘルパンギーナの治療法

原因ウイルスに対する薬はないため、症状をやわらげる対症療法が中心となります。

発熱やのどの痛みに対して、解熱剤を用いたり、脱水症状の場合に点滴を行う場合があります。

予防方法

ヘルパンギーナに対するワクチンはありません。
基本的に、流水と石鹸でしっかりと手洗いをし、タオルやハンカチは共用しないようにしましょう。

ヘルパンギーナにかかってしまったら・・・

ヘルパンギーナは、38℃以上の高熱がでます。
熱のでかたも、診察する上でとても大切な情報となります。
そのため、1日3回程度(朝・昼・晩)、時間を決めて体温を測り、メモをしておくようにしましょう。

また、ヘルパンギーナの症状である咽頭の発赤や水疱・潰瘍による喉の痛みと高熱により、食欲が落ちることがあります。
そのような場合は、無理に食べさせようとはせず、水分補給をこまめに行い、脱水にならないように注意しましょう。
食べ物を与える場合も、喉越しのよいもの(ゼリーやプリンなど)を与えるようにして、酸味の強いものや味が濃いものを与えるのは控えましょう。

また、ヘルパンギーナの原因ウイルスは、症状が治まったあとも2週間〜1カ月程度は便の中に排泄されているので、お子さんのおむつ替えのあとはしっかりとせっけんで手を洗うようにしましょう。

ヘルパンギーナの場合、高熱によりひきつけを起こすこともあります。(熱性けいれん)
大切なことは、ひきつけを起こしてしまった場合に何をすればいいかを把握しておくことです。

ひきつけを起こしてしまったら、時計をみて何分からひきつけたかを確認し、吐いた場合に気道にものがつまらないように横向きにして寝かせましょう。
そして、ひきつけが治まったら再度、時計をみて何分間ひきつけをおこしていたかを確認し体温とひきつけの持続していた時間をメモして、かかりつけ医に受診しましょう。

頻度は少ないですが、合併症として髄膜炎を起こすことがあります。
元気がない、高熱や頭痛が続く、嘔吐を繰り返すなどの症状がみられる場合は、早めにかかりつけ医に受診しましょう。

ひきつけを起こした際の観察のポイント → ひきつけを起こした時のホームケア
熱があるときのホームケア → 熱があるときの対処方法

登校・登園について

ヘルパンギーナは、学校保健安全法で予防すべき伝染病1〜3種に含まれていません。
そのため、ご本人の体調をみて判断すればよいでしょう。

但し、学校や保育園・幼稚園によっては、学校保健安全法の第三種のその他の感染症にヘルパンギーナを含めている場合がありますので、担任の先生に登校・登園の制限の有無を確認してみてください。

飛沫感染(ひまつかんせん)
せきやくしゃみなどによって飛び散る飛沫に含まれる病原体が、口や鼻などの粘膜に直接触れて感染すること。

接触感染(せっしょくかんせん)
感染源に接触することによって感染すること。皮膚や粘膜などが直接触れあって感染する場合と、病原体が付着したタオルや容器などを介して間接的に感染する場合がある

糞口感染(ふんこうかんせん)
便や、便で汚染された物を触った手で口を触ることで感染すること

潜伏期間(せんぷくきかん)
ウイルスや細菌などの病原体が体内に侵入してから症状(発病)がでるまでの期間