おたふくかぜ

おたふくかぜについて

おたふくかぜは、正式名称を流行性耳下腺炎(りゅうこうせいじかせんえん)といい、片側もしくは両側の耳下腺(耳の下あたり)が腫れる病気です。
おたふくかぜの原因となるウイルスは、ムンプスウイルスです。
このウイルスは感染力は強いですが、一度感染すると終生免疫を獲得します。
また、感染した場合でも30%程度の方は、症状が現われない不顕性感染がみられます。

おたふくかぜは、年中見られる病気ですが春から夏にかけて多く見られる傾向があります。
感染者の約6割が3〜6歳で、0歳では少なく、成長するにつれて増加し4歳児の感染が最も多いです。

感染経路は、接触感染、飛沫感染です。

おたふくかぜの症状・合併症と診断

症状

潜伏期間(2〜3週間)を経て、唾液腺の腫れ、嚥下痛(飲み込むときの痛み)、圧痛(腫れているところを押さえると痛む)、発熱などの症状があらわれます。
発熱は、約8割のかたにみられます。

唾液腺の腫れのほとんどが、耳下腺の腫れで、片側もしくは両側に見られ、一般的に片側から腫れが始まり、1〜2日のうちに両側が腫れてきます。
腫れは、2〜3日でピークをむかえ、3〜7日で消失します。
顎下腺や舌下腺に腫れが現れることもあります。

通常おたふくかぜは、1〜2週間でよくなります。

合併症

合併症とは、ある病気が原因となって起こる別の病気をいいます。
おたふくかぜは、ウイルスによって唾液腺が腫れてしまう病気ですが、このウイルスが原因で髄膜炎、精巣炎、卵巣炎、膵炎、難聴など他の病気が起こることがあります。

精巣炎(睾丸炎)
思春期以前では稀で、思春期以降におたふくかぜに罹ると比較的多く見られ(20〜30%)発熱や睾丸の痛み・発赤や腫れ、下腹部痛などがみられます。
基本的に精巣のダメージは軽度で、重度であっても片側だけのことが多いため、不妊となることは稀です。
卵巣炎
思春期以前では稀で、思春期以降におたふくかぜに罹ると7%程度に下腹部痛などの卵巣炎がみられます。
基本的に卵巣のダメージは軽度で、重度であっても片側だけのことが多いため、不妊となることは稀です。
膵炎
発熱、激しい上腹部痛、嘔吐、下痢などの症状が現われます。
難聴
合併率は1%未満ですが、難治性です。
基本的には片側の耳のみに起こるため、日常生活には支障をきたさないことが多く、そのため、発見が遅れてしまうことが多いようです。
髄膜炎
激しい頭痛や嘔吐などがみられ、おたふくかぜ患者の5%程度に認めます。

診断

基本的におたふくかぜの特徴的な症状である唾液腺(耳下腺部又は顎下腺部)の腫れと痛みの状態から診断されることがほとんどです。
必要に応じて血液を採取して抗体検査を行う場合があります。

おたふくかぜの治療法

原因ウイルスに対する薬はないため、症状をやわらげる対症療法が中心となります。

発熱に対して、解熱鎮痛剤を用いたり、食欲低下に伴う脱水がみられる場合は、点滴を行なう場合があります。

予防方法

おたふくかぜは予防接種(任意接種)によって予防することができます。

おたふくかぜにかかってしまったら・・・

唾液腺が腫れているうちは、食べ物をかんだり飲み込んだりするときに痛みがあるため、食欲が落ちてしまうことがあります。

そのため、のど越しのよい食べ物やあまりかまなくても良い軟らかい食べ物を与えるようにし、脱水症にならないように水分をこまめに与えるようにしましょう。
水分を与える際は、果汁などの酸味が強いものは唾液腺を刺激して痛みが強くなることがありますので注意しましょう。

頻度は少ないですが、合併症として髄膜炎・膵炎を起こすことがあります。
元気がない、高熱や頭痛が続く、嘔吐を繰り返すなどの症状がみられる場合は、髄膜炎が、激しい腹痛、嘔吐などの症状がみられる場合は膵炎が疑われますので早めにかかりつけ医に受診しましょう。

登校・登園について

おたふくかぜは、学校保健安全法で予防すべき伝染病2種に属しています。
そのため、登校基準が設けられており、耳下腺の腫脹がある間はウイルスの排泄が多いので、腫脹が消失するまで出席停止となっています。

おたふくかぜにかかったことがない妊婦の方は要注意

妊婦の方がおたふくかぜにに感染しても胎児異常にはつながらないといわれています。
しかし、妊娠初期におたふくかぜにかかると流産を引き起こすことがありますので、保育園や幼稚園に通っているお子さんがおたふくかぜになったあるいは、保育園や幼稚園などでおたふくかぜが流行っている場合は注意が必要です。

飛沫感染(ひまつかんせん)
せきやくしゃみなどによって飛び散る飛沫に含まれる病原体が、口や鼻などの粘膜に直接触れて感染すること。

接触感染(せっしょくかんせん)
感染源に接触することによって感染すること。皮膚や粘膜などが直接触れあって感染する場合と、病原体が付着したタオルや容器などを介して間接的に感染する場合がある

終生免疫(しゅうせいめんえき)
一生涯免疫が持続し、二度と同じ病気にはかからないもの。

潜伏期間(せんぷくきかん)
ウイルスや細菌などの病原体が体内に侵入してから症状(発病)がでるまでの期間