ロタウイルス胃腸炎(嘔吐下痢症)

ロタウイルス胃腸炎について

ロタウイルス胃腸炎は、乳幼児の冬の下痢の主な原因となる病気です。
流行時期は1〜4月頃で、感染経路は経口感染です。

ロタウイルス胃腸炎は、生後6ヶ月から2歳の乳幼児に多く見られ、5歳までにほとんどの小児が感染します。
生後3カ月未満の赤ちゃんの場合、お母さんからの移行抗体によって守られているために感染することは稀です。

ロタウイルスは感染力が非常に強く、少量のウイルスでも感染が起こります。
また、ロタウイルスは、1度かかっても繰り返しかかってしまうことがありますが、通常初めて感染したときが一番重症化しやすいです。

ロタウイルス胃腸炎の症状と診断

症状

1〜3日の潜伏期間のあとに、激しい下痢や嘔吐、発熱が起こります。
嘔吐と発熱は、2日程度でよくなりますが、下痢はしばらく続きます。
ロタウイルスの下痢は水溶性の便で、酸味のある発酵臭があり、3〜4割くらいの患者でロタウイルス感染の特徴である米のとぎ汁様の白色の下痢便となります。

便の色は、胆汁に含まれる胆汁色素であるビリルビンが腸内細菌によって変化したものです。
ロタウイルスに感染すると便が白色になることがありますが、これは一過性に胆汁の流れが障害されるためにおこります。

通常、症状は3〜7日程度で自然に良くなります。
ロタウイルス胃腸炎は、激しい嘔吐と下痢のために脱水症になることがあり注意が必要です。

診断

ロタウイルス胃腸炎の症状は、他の感染性胃腸炎(嘔吐下痢症)でも同様の症状を示すことがあるため、症状のみで感染性胃腸炎と診断されてもそれがロタウイルスによるものかどうかは判断できません。

そのため、確定診断のために、迅速キット(便を採取して検査)を用いてロタウイルスの感染の有無を検査する場合があります。

ロタウイルス胃腸炎の治療法

原因ウイルスに対する薬はないため、症状をやわらげる対症療法が中心となります。
発熱を下げる解熱鎮痛剤や吐き気を抑える吐き気止めなどを処方されることがあります。
下痢は体内に増殖したウイルスを外に出すためのカラダの防御反応であり、下痢を止めてしまうとウイルスが体内に排泄されずに回復を遅らせてしまうことがあるので、通常下痢止めは使用しません。

激しい下痢と嘔吐のために水分や食事の摂取量が減り、脱水症になることがあるので、水分は少しずつこまめに補給するように心がけましょう。

予防方法

ロタウイルス感染症は予防接種(任意)によって予防することができます。

日常生活の予防法は、流水と石鹸でしっかりと手洗いをし、タオルやハンカチは共用しないようにしましょう。

ロタウイルス胃腸炎にかかってしまったら・・・

ロタウイルス胃腸炎をはじめとする感染性胃腸炎で最も注意しなければいけないのは、脱水症です。
感染性胃腸炎では、嘔吐や下痢によって体内の水分が奪われ、また、食欲の低下も伴ってしばしば脱水症を起こすことがあります。
そうならないためにも、水分を少量ずつで構わないので、こまめに補給するようにしましょう。

また、おむつをつけている赤ちゃんの場合、頻回の下痢によっておむつかぶれを起こしてしまうことがあります。
おしりが汚れた場合は、その都度きれいに拭いてあげましょう。
拭く場合も、あまり強くこすると刺激になってただれる原因となりますので、注意しましょう。
また、毎日シャワーなどで洗って清潔にしておくことも大切です。

嘔吐がある場合の家庭での対処方法 → 嘔吐のときのホームケア
下痢がある場合の家庭での対処方法 → 下痢の時のホームケア

登校・登園について

ロタウイルスは、学校保健安全法で予防すべき伝染病1〜3種に含まれていません。
そのため、ご本人の体調をみて判断すればよいでしょう。

但し、学校や保育園・幼稚園によっては、学校保健安全法の第三種のその他の感染症にロタウイルスを含めている場合がありますので、担任の先生に登校・登園の制限の有無を確認してみてください。

またロタウイルスは、下痢症状がでる2日前から下痢症状が終わった後2〜3日は便にウイルスが排泄されており、感染源と成り得るので注意が必要です。

二次感染を防ぐために

ロタウイルスは、患者の便や嘔吐物に大量に含まれており、その処理をしっかりと行なわないと他のお子さんが感染してしまうおそれがあります。

そのため、便や嘔吐物を処理する際は、使い捨ての手袋やマスクを用い、便や嘔吐物はビニール袋に入れて処理します。
床などに付着した便や嘔吐物は、市販の塩素系漂白剤を50〜100倍程度に薄めて汚染場所にかけてペーパータオルで拭き取りましょう。
尚、ロタウイルスには消毒用アルコールや逆性石鹸は効果が期待できません。

経口感染(けいこうかんせん)
病原体が付着した食べ物や飲み物を摂取したり、病原体が付着した手や食器を介して口の中へ病原体が入り、感染を起こすこと

潜伏期間(せんぷくきかん)
ウイルスや細菌などの病原体が体内に侵入してから症状(発病)がでるまでの期間